2020/08/09

今年になって突如現れた新型コロナウイルス(以下コロナ)により様々な形で皆さんの生活に影響が出ていることかと思います。そして巷で話題の“PCR検査“が現時点では診断や経済再開において重要な検査として認識されていると思います。

しかし、この検査は皆さんに知っておいて欲しいいくつかの注意点があります。

1、検査精度は?

かなりざっくりと説明すると、PCR検査が陽性であればかなりコロナに罹患している可能性が高いと言えますが、陰性であっても“コロナではない“とは言えない検査になります。

問題点として、偽陰性(コロナなのに、検査は陰性となる場合)の可能性が3割程度あるため、陰性だから大丈夫とは決して言えません。また偽陽性(コロナではないが、検査が陽性となる場合)の確率は低いと言われていますがゼロではなく、間違った判定のために隔離を余儀なくされる可能性があります。

加えて精度の問題とは違いますが“陽性者=感染性がある“わけではなく、体内のウイルスの死骸でも陽性になるため、発症からの経過時間など状況を加味して解釈する必要があります。
例えば十分に症状回復後に仕事復帰に際し心配だからと検査をすると、陽性化して逆に混乱を招く恐れがあります。

2、検査代は?(医療機関受診時)

検査代は次の場合には、公費で賄われるため通常の診療費のみとなります。

•味覚障害や嗅覚障害など疑わしい症状がある場合
•コロナ感染者に濃厚接触歴がある場合
•それ以外に医師が必要だと判断した場合(行動履歴から疑う場合など)

上記がなければ、基本的にはコロナに感染している可能性は低いと判断され、検査代は自費になります。自費の場合の検査価格は各医療機関ごとに異なります。

3、検査を行う意義は?

PCR検査を行うときに主に考える意義は2つです。
1)その人自身のためと、2)周りの人のため、です。

その人自身のための検査意義は、例えば高齢者や肺の持病などがあり悪化するリスクが高い人、発熱などの症状が持続し診断をつける必要がある人や、かなり重症な状態に進行している人に関しては、診断をつけて治療や今後の経過の予測を行うためにも積極的なPCR検査が勧められます。

次に周囲にとっての検査意義は、疫学的に集団として早く陽性者を発見し、なるべく感染を広めないという行政の方針に沿って行うものです。濃厚接触者に対して積極的にPCRを行っているのはこのためです。

よって、1で述べた検査の精度と合わせて考えると、接触リスクが低く、重症化するリスクが低い人に対しては、検査を行う意義はかなり小さいと判断されます。そのため検査を希望したとしても公費ではなく自費での検査になります。

医師は上記の要素を十分に考慮した上でPCR検査をするかどうかを判断しています。PCR検査をするということは少しでもコロナ罹患の可能性があることを意味しており、仮に検査が陰性だったとしても依然コロナに罹患していた場合に準じて、下記の通りに行動するよう説明しています。

具体的には、発熱や気道症状、倦怠感などの症状出現から10日以上かつ解熱後3日以上経過するまでは、なるべく自主隔離を行うことがコロナを広めない重要なポイントになります。

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